「僕は、用意された場所に呼ばれるんじゃなくて、出来上がった夢を手渡されるんじゃなくて、ヒョウガと一緒に――僕はヒョウガと一緒に何かをしたかったんだ」 シュンが、寝台の脇に立つヒョウガの手を引いて、その枕許に腰を下ろさせる。 それから、シュンは、まだ少し痛みの残る自身の身体を、寝台の上に起こした。 シュンは、自分の欲しいものを自分の手で抱きしめたかった。 そして、その通りにした。 「僕は、ヒョウガに会いたかったんだ! 会いたかった、会いたかった、会いたかった! ヒョウガに会えないのが辛くて、ヒョウガに会えるのならどんなことだってしようって思って、だから、僕は神殿に行ったんじゃないかっ!」 「シュン……」 シュンの細い腕に抱きしめられて初めて、ヒョウガは自分の過ちを正しく理解した。 最初に道を間違えたのは、自分の方だったということも。 「すまなかった……。俺は最初に――最初に、おまえに側にいてくれと言って、おまえに好きだと告げて、俺を愛してくれとすがればよかったんだな」 そうすればよかったのだ。本当に。 ヒョウガは、彼の胸を涙で濡らしているシュンを抱きしめて、自分の犯した過ちが取り返しのつくものだったことを――おそらくは生涯にただ一度だけ――神に感謝した。 |