星矢が、ちょうど、その“死語”を呟いた時だった──らしい。 そろそろ瞬の読書タイムが終わったかと期待した氷河が、再度瞬を誘うために、ラウンジに戻ってきたのは。 彼自身も気付かずにいたその事実を知らされた氷河が、なかなか間の抜けた呟きを呟く。 「そうだったのか……。何か俺の気分を察した対応をされるとは思っていたが……」 その事実に今まで気付かずにいたというのなら、氷河も実におめでたい男である。 そして、瞬は、たとえどれほど星矢や紫龍に問い詰められても、ミステリーに潜んでいる真実を口外すべきではなかった。 少なくとも、氷河にだけは知られるべきではなかった。 が、『後悔』は、『後で悔やむ』と書いて、『後悔』と読むのだ。 |