「子供にこんなことができるか」

そんなことを言ってしまうところが子供と言えば子供なのだが、挑戦的な口調でそんなことを言う氷河がしていることは、確かに子供のすることではなかった。
氷河は、瞬の身体を開かせて、自分を受け入れさせる場所を刺激していた。

「ああ……っ!」
いつもより繊細さの欠ける氷河の愛撫に、瞬が身悶える。

「あまり子供扱いすると、俺にも考えが……聞いているのか、瞬」
聞いてはいたが、今の瞬は、氷河に返事をするのは到底無理な状態にあった。

瞬の身体の中心近くを、煽るように、氷河の手が撫でまわす。
やがて、氷河は、そこに唇と舌を這わせ始めた。
その部分はおそらく、瞬の身体の中でも最も色が白く、柔らかいところだった。
しかも、瞬の身体は、性器に触れられることより、内腿を刺激されることの方に乱れやすいようにできている──そうなるように、氷河に仕込まれていた。

自分がそういうふうに作り変えた瞬の身体を、氷河はここぞとばかりに刺激して、瞬を泣かせていた。
「あ……あっ……あん……!」

「瞬」
いつもなら瞬のその声に満悦する氷河が、今夜は、瞬からの返事がないことが不満らしい。
瞬の答え──氷河自身が望む答え──を要求するように、氷河は瞬の名を呼んだ。

「こ……どもはこんなことしな……あぁ……ん」
「他のオトナにだってさせない」
言うなり、氷河は瞬の中に押し入った。
何が何でも自分の望む通りの答えを瞬に言わせなければ気が済まないというように、乱暴に。

「あああ……っ!」
「気持ちいいか」
答えは、無論、ない。
瞬は、まともな言葉を発することができる状態ではなかった。
それでも瞬は、喘ぎながら、必死に氷河に頷いたのである。
これ以上氷河の不機嫌を煽るようなことをすると、氷河に尋常でない交接を強いられる羽目になることを、これまでの経験で瞬は知っていた。

「あまり俺を子供扱いすると、子供にこんなことをされて、こんなふうに乱れているおまえはいったい何なんだということになるんだぞ」
そう言いながら、ぐいぐいと力任せに、氷河は瞬の中に彼自身を突き立ててくる。

「あぁ……ん、氷河、いや……!」
瞬の『いや』は『いい』だということを、氷河は承知していた。
だから彼は、瞬に更に『いや』を言わせるために、瞬を貫くことをやめようとはしなかった。

やがて、氷河の期待通りに、瞬がうわ言のような『いや』を繰り返し始める。
氷河はわざと子供に対するような口調で、瞬の耳許に囁いた。
「わかってる。もっと欲しいんだろう?」

肯定の返事の代わりに、瞬は大きく身体をのけぞらせた──自然にそうなった。
鬱憤を、一度瞬の中に吐き出したくらいでは、子供・・の不機嫌は収まらないだろう。
瞬は、氷河の気が済むまで、彼にいじめられてやることを覚悟せざるを得なかった。






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