部外者は気楽なものである。 だが、当事者はそうはいかない。 事件の渦中にある当事者に、冷静かつ客観的な判断を持つことを求めるのは、酷というものだろう。 理屈では割り切ることのできない感情で成り立つ恋愛問題においては、なおさらである。 もっとも、氷河は、瞬がオンナと浮気しているなどという、星矢の戯言を真に受けていたわけではなかった。 そうではなく──氷河は、瞬が自分に秘密を持とうとしているという事実にこそ、苛立っていたのである。 そんなものは一刻も早く白日の下にさらけだし、ぶち壊してしまわなければならなかった。 |