他の仲間たちに少し遅れてやってきた氷河は、それでも少しずつ、城戸邸に集められた子供たちの輪の中に解け込んでいっているようだった。
あまり愛想はよくないし、気安く接することのできるタイプでもないようだったが、氷河は自分のペースとスタイルで、星矢や紫龍たちとはそれなりにうまく付き合っているように見えた。

瞬は、氷河に友だちとして接することのできる星矢たちが羨ましくてならなかったのである。
一度でいいから、間近で、氷河の姿を見てみたかった。
何気なく星矢の横にいったら、会話の仲間に入れてもらえないかと、幾度も思った。

だが、初対面でわんわん大泣きしてしまった自分が、氷河に快く思われているはずがない。
少なくとも、おかしな奴だと思われていることは確実である。
瞬は、だから、どうしても、氷河の側に近寄っていく勇気が湧いてこなかったのである。






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