デザートはお好き?






「もちろん、それはただのデザートだよ。メインディッシュは他にある。でも、デザートもおいしいに越したことはないでしょう?」
星矢と紫龍に高説を垂れている瞬の前には、紅茶の入ったカップとケーキが数個載ったデザート皿があった。
おそらく、それは、瞬 気に入りの“タルト・オゥ・ポンム・コンフィ・ア・ドランジェ”とか“クレーム・ブリュレ・セルリララヴ・マロン”とか、舌を噛みそうな名前を冠したケーキなのだろう。

「おいしいデザートを味わってる時には、天国にいる気分になるし」
瞬が今日食しているケーキは、よほど美味なものらしい。
いかにも甘ったるそうな外見をしたケーキの一片をフォークで口に運び、それから瞬は、まさに天国に住む天使のごとく、にっこりと笑った。

瞬の頬は、微かに上気さえしていた。






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