氷河王子と瞬王子は、北の国の王宮で、すくすくと育ちました。
二人は、お食事もおやつもお昼寝もいつも一緒。
お勉強する時も、剣のお稽古をする時も、楽器の演奏をする時も、いつも二人でした。
二人は、いわゆる親友として、互いの間に深い信頼と愛情を育んでいったのです。

そんなふうにして、十数年。
そろそろ氷河王子もお年頃でしたが、北の国には瞬王子より綺麗な女の子はいせんでしたし、氷河王子は、親友でもあり婚約者でもある瞬王子との生活に満足し、特に不満も感じていないようでしたので、北の国の王様とお后様は安心しきっておりました。

けれど。
子供は、親の知らないうちに大人になってしまうもの。
氷河王子が周囲に女の子のいない生活に満足していたのも当然のこと。
氷河王子は、あろうことか、自分の婚約者と熱烈な恋に落ちていたのでした。






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