「朝日だ! 俺は耐え抜いた!」 窓の外の白い光を見るや、氷河王子の頭の中は、その光でいっぱいになりました。 要するに、氷河王子の頭の中は、真っ白になってしまったのです。 既にその腰の辺りを隠すばかりになっていた瞬王子の夜着を剥ぎとり、氷河王子は、無我夢中で瞬王子の身体に覆いかぶさっていきました。 「ひ……氷河…… !? 」 突然、熱くて重いものに身体を包み込まれた瞬王子は、びっくりぎょうてん。 それが他ならぬ氷河王子自身と気付いた瞬王子は、瞳を見開いて、氷河王子の名を呼びました。 「氷河、どうしたの。どうして、ここにいるの」 「瞬、喜べ! 俺の呪いは解けた!」 「え?」 「愛してるぞ、瞬!」 「あっ……氷河、でも、だからって、そんな急に……あぁん……っ!」 瞬王子としては、せめて事の経緯の説明くらいはしてほしかったところでしょう。 状況説明もなしに突然、氷河王子に抱きしめられた瞬王子の頭は大混乱していました。 ですが、なにしろ、瞬王子の身体は、氷河王子にたっぷりいたずらされた後で、瞬王子の意識はともかく、身体の方は、それを欲していたのです。 性急に求めてくる氷河王子に、瞬王子(の身体)はしっかり応え、受け入れ、やがて瞬王子の声は、氷河王子の下で、何とも悩ましい喘ぎ声に変化していったのでした。 それは、二人にとって、待ちに待った時でした。 それが叶うなら、死んでもいいとまで思い詰めた運命の××。 許されないが故に、夢見、憧れていた愛の××。 湧きあがる情熱のまま、愛以外のすべてを忘れ、愛する人と一つに溶け合えるということは、何という喜びでしょう。 その時になったら ああしてこうしてと、脳内シミュレーションを何千回となく繰り返していた氷河王子は、正真正銘の初心者であるにも関わらず、百戦錬磨のつわもの顔負けの大胆さと巧みさで、スーパーE難度の大技を次々に決め、瞬王子は瞬王子で、氷河王子の息をもつかせぬ攻撃に、羞恥心を思い起こしている暇もありません。 右手はこっち、左脚はこの角度、腰をあげて──。 氷河王子は、瞬王子に、次から次へと新たな指示を飛ばし、しかも、その手は瞬王子への愛撫をやめません。 更には、横を向けだの、俺に触れだの、もっと脚を開けだのと命じられ、瞬王子は氷河王子に言われるがまま、為されるがまま。 言われた通りにすると気持ちいいので、瞬王子は、氷河王子の指示に逆らうことができなかったのです。 瞬王子の喘ぎ声は大きくなり、すすり泣きは歓喜の涙になり、 「いや、やめて、恥ずかしい……」 なんて言ってる暇もあらばこそ、しょっぱなから、 「ああん、氷河、素敵、もっとして……っ!」 てなもんです。 上になったり、下になったり、仰向けにしたり、うつ伏せにされたり、まるで今日のうちにできることをすべてしておこうという勢いで、二人は、それはそれは熱烈に愛し合い続けたのでした。 |