氷河は悩んだ。
真剣に、これ以上ないほど真剣に、一生分の悩みをその数分間で悩み尽くしてしまったのではないかと思うほどに、彼は悩んだ。
悩みに悩んで悩みぬき──結局のところ、氷河は己れの欲望に負けてしまったのである。
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