シュンが人の手で作られた機械にすぎなかったことを嫌というほど思い知らされて、その死は機械が破壊されただけのことにすぎないという事実をわかりすぎるほどわかった上で、氷河は、自分でも思いがけないほどに、シュンの“死”に衝撃を受けた。 「……機械ったってさぁ、おまえが死ぬとこ見たようなもんじゃん。俺たちでさえ がっくりきてんのに、氷河はシュンに懐かれてたし、シュンを可愛がってたし──機械の犬ったって、おまえだろ」 瞬にそう告げる星矢の表情にも声音にも、平生の明るさはない。 日本に帰国してからも気落ちしたままの氷河を慰め励ます術を見つける以前に、星矢はまず星矢自身が、“仲間”の死から立ち直る必要がありそうだった。 |