停戦――否、戦さの終結は事実だった。
翌日、ヒベルニアの王がガリアの地に上陸し、その宣言をした。

既に生まれた憎しみは後に癒すことにして、今は残った大切なものを失わないために、ガリアの国民ひとりひとりが枡一杯の麦、もしくは一家族が一頭の羊を、ヒベルニアに無償で提供することをガリアの王は決定し、その決定をヒベルニアの王に伝えた。
二人の王は互いに両国の相互扶助を約すゲッシュを立て、そうして戦さは終わりを見たのである。

その計画を提案したシュンがヒョウガの許にいることはヒベルニアの王の耳に入っていたらしく、ヒベルニア王はことのほかシュンの身を案じている――ということだった。






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