毎日が試練の連続のメイドロボの出勤。

けれど、メイドロボたちは、どんな試練も、持ち前の勇気と友情とダンスと氷河の力によって、明るく乗り越えていくのです。



そんなメイドロボたちに、また新たな苦難が襲いかかりました。


ある日、出勤のたびに『ご主人様、助けてくれてありがとう』ダンスを踊っている自分たちを省みて、6号が言い出したのです。
「このところ、僕たちは毎日、氷河様の前で『ご主人様、助けてくれてありがとう』ダンスを踊ってる……。僕たち、こんなことでいいんだろうか……」

「6号、どうしたの、急にそんな思いつめた顔して……」
「だって、僕たち、毎日毎日氷河様に助けられて、毎日毎日飽きもせず同じダンスを踊ってるんだよ! 氷河様だって、いい加減呆れてるんじゃないかしら。僕たちには進歩がない――って」

「そ…それは……」

6号の至極尤もな意見に、メイドロボたちは全員、暗い顔になりました。
けれど、そこで前向きに明るく立ち直るからこそ、メイドロボ。

暗い面持ちの仲間たちを励ますように、12号が言ったのです。
「じゃ…じゃあさ、僕たちが少しずつでも進歩してるってことを、氷河様に知らせようよ!」

「でも、どうやって…? 大雨も大風も僕たちだけの力ではどうにもならないよ……」
「そうじゃなくって! 『ご主人様、助けてくれてありがとう』ダンスのパート2を作るんだよ !!  そうすれば、氷河様だって、僕たちが進歩してることをわかってくれるよ!」
「あ、そっかー!」
「12号、ナイスアイデア〜♪」
「うん、じゃあ、早速、お稽古を始めよう! 善は急げだよ」
「わ〜い、パート2、パート2〜♪」

そうして早速、メイドロボたちはダンスのお稽古を始めたのでした。




それから、メイドロボたちは、ご主人様たちを喜ばせるために、夜な夜なメイドロボハウスでダンスの練習をするようになりました。

そして、そんなメイドロボたちの歌声を漏れ聞いた近所の住人たちの間では、
「あそこの家には妖精が住んでいて、夜毎、宴が繰り広げられているんだって」
という噂が立ち始めたのです。


その噂が、メイドロボたちにまたまたまたまた新たな試練を運んでくることになったのですが、そのお話はまた別の機会にね。






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