リリィちゃんへのプレゼント


■注■ リリィちゃんについては、 こちら をご覧ください。




ある晴れた日、仕事の合間の休憩時間に、メイドロボたちは、瞬からもらったおやつを食べながら話し合っていました。


「僕、今日もお庭でリリィちゃんに追いかけられちゃったんだ。死ぬ気で逃げたんだけど、ほんとに死ぬかと思ったの。だって、急に植木鉢の陰から飛び出てくるんだもの」

12号の報告に、メイドロボたちは暗い顔になりました。
メイドロボたちは、これまでに全員が12号と同じような経験をしていたのです。

「リリィちゃんって、どうしていつも突然現れるんだろう?」
「リリィちゃんが現れると、心臓が破けそうになるよね。せめて、もう少しゆっくり近付いてきてくれれば、心の準備も逃げる準備もできるのに」
「リリィちゃんは恐いけど、悪いひとじゃないよ」
「うん……。でも、恐いし、早いし、急に出てくるし、びっくりするし」

「うん、そうだね……」

悪いひとではないのに、そのひとを好きになれないって、とてもとても罪悪感を感じることです。
いいひとを好きになれない自分たちの方が悪人のような気持ちになってしまうから。
メイドロボたちは、思わず、どよ〜ん★ と暗くなってしまいました。






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