宇宙的パワーの賜物なのでしょうか、謎の小人たちの表情やお喋りは、めまぐるしい速さで、くるくるくるくる変わっていきます。 「あの、小人さんたち……?」 もう一度気を取り直して謎の小人たちに声をかけられるようになるまでに、瞬には5分以上の時間が必要でした。 「は〜い」 「なぁに? おっきい瞬ちゃん」 瞬に尋ねられた謎の小人たちは、人見知りした様子もなく、明るい笑顔で、瞬を見上げました。 「あ……あの、みんなは一体どこから来たの?」 『おっきい』なんて言われ慣れていないせいもあって、瞬の方は少しどもり気味。 氷河と瞬にしがみついているメイドロボたちなんて、すっかり怯えてびくびくしていました。 瞬の言葉を聞いた瞬間、謎の小人たちの間に、さっと緊張感が走ります。 「みんなっ! 注意事項5の発動だよ!」 「ラジャー!」 「迷子札、スタンバイOK!」 「位置につけ!」 「よ〜い、どん!」 なんということでしょう! 謎の小人たちは、リーダー(誰がリーダーなのかは誰にもわかりませんでしたが)の号令一下、あっという間に見事な三列縦隊になって、それぞれに持たされていたらしい迷子札を、びしっ★ と、瞬の前に掲げてみせたのです。 「わぁ、すごい!」 「見事に統率がとれているな」 「おお〜 !! 」× 15 謎の小人たちの、統率のとれた機敏な動きには、氷河も瞬も大感心。 メイドロボたちまでが、避難場所からテーブルの上に飛び降りて、謎の小人たちに惜しみない拍手を送りました。 小人たちは、得意満面です。 「誉めてもらえたね!」 「うん、よかったね!」 「練習した甲斐があったね」 「そうだね。僕達の氷河も、見ていたらきっと誉めてくれたよね」 「ご褒美に、ちゅうしてくれるかもしれないね」 どうやら、謎の小人たちの氷河は、某氷の国の氷河よりも甲斐性があるようでした。 「結晶クッキーもくれるかもしれないよ」 「結晶クッキー、僕、大好き!」 「僕だってー!」
「今度、ヒミツのオマケ入りお徳用パックが出るの知ってた?」 「えっ、ほんと〜?」 「絶対食べたいね」 「うん。オマケも気になるよね」 「なんでも、365種類の流星クマさんが入ってるらしいよ」 「365種類全部集めなきゃ」 「でも、そんなにいっぱい買ってくれるかなぁ、氷河」 「大丈夫だよ。氷河の好きな方法で、ちゃんとお願いすれば」 「あの方法でお願いして失敗したことないもんね」 「そうだね」 「よ〜し、帰ったら、365種類の流星クマさん入り結晶クッキー-獲得大作戦の開始だよ」 「おおー !!!! 」× 15 「…………」(←氷河の絶句) 「…………」(←瞬の絶句) 「…………」× 15(←メイドロボたちの絶句) 謎の小人たちの小さな身体の中には、無限のエネルギーが秘められているのでしょうか。 小人たちのマシンガンのようなお喋りは、一向に止む気配がありません。 それだけならまだしも。 小人たちには、ストーリーを進めようとする意思も全くないようでした。 |