そんなふうに悩み始めたメイドロボたちの前で、整然と行進していた氷の国星の小人たちが、再び、足踏み状態になりました。
テーブルの端まできた氷の国星の小人たちは、テーブルの下におりることができなかったのです。

痩せても枯れてもメイドロボたちは、世界に冠たるグラード・メイドロボ・コーポレーションが世界最高水準の技術を駆使して作った、超有能小型ロボット。
対して、どんなに規律正しく物怖じしないと言っても、氷の国星の小人たちは、ただの生身の小人です。

メイドロボたちになら難なくぴょん☆ と飛び降りることのできるテーブルも、氷の国星の小人たちには断崖絶壁だったのでした。

それに気付いたメイドロボたちが何人かで、瞬の椅子をテーブルの側に移動させます。
「この椅子の背もたれを伝って降りてきてくださーい」
「気をつけてくださいね」

「あ……ありがとうございますっ !! 」× 15

声を揃えてお礼を言った氷の国星の小人たちは、メイドロボたちの働きにびっくりしていました。

「なんか、すごいね、メイドロボさんたち」
「あんな高いとこから、ぴょんと飛びおりたよ」
「すごい跳躍力だね」
「あんな大きな椅子を動かせるし」
「力持ちだよね」

「いいなぁ……。あんなことができたら、僕たちだって、僕たちの氷河にもっと誉められるようなことができるかもしれないよね」
「羨ましいよね」
「うん、ほんとだね……」

でも、そんなことは、氷河のスプーンを1本運ぶのにも5人がかりの氷の国星の小人たちには、到底無理なことなのでした。







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