「氷河がパンケーキ焼けるなら、僕が合体瞬ちゃんをなだめてあげるけど、氷河、パンケーキ焼ける?」
瞬は、あくまでパンケーキを作るつもりでした。

「む……」
氷河は、××以外は頭脳労働の男でした。

氷河と瞬がそういうキャラ設定の場合、おのずと役割分担は決まってきますよね。

「それとも、まさか、氷河ってば、僕以外の瞬ちゃんに変な気分になるとでも?」
「ば……馬鹿を言うな! 俺はおまえ以外の瞬など目にも入らんぞ! た…たとえ、おーるぬぅどでも!」
でも、氷河は、ちょっとどもっていました。

「じゃ、合体瞬ちゃんをお願いね」
「う……うむ……」

――結局そんなふうに瞬に言いくるめられて、床にへたり込んで、わんわん泣いている合体瞬の側に歩み寄っていった氷河ですが、他所様の瞬をどうやって慰めたものか、彼にはまるでわかりませんでした。

自分の瞬なら、ちゅうなり××なりで慰めてあげられますし、泣いている瞬にどんなセリフを囁けばいいのかも、氷河は心得ていました。
けれど、今、彼の目の前にいるのは、彼の瞬ではないのです。


が、メイドロボたちのご主人様氷河は、某氷の国の氷河なんかとは違って、頭脳労働氷河です。
彼は、すぐにとてもいい方法を思いつきました。

「おい、君、合体を解け」
「はにゃ?」

一瞬ぽけっ☆ としてから、氷の国星の合体瞬は、最初からそうすればよかったことに、遅ればせながら気付きました。
すぐに、再びぴかーっ☆ というまばゆい光が部屋中を包み、その光の拡散が収まると、キッチンの床の上には、合体を解いた氷の国星の小人たちが15人。
もちろん、着衣です。

氷河は、ほっと安堵の息を洩らして、彼等をテーブルの上にのせてやりました。



「お待たせ〜。パンケーキできたよ〜v」

タイミングよく、おやつの準備も完了です。
氷河と瞬とメイドロボたちは、おやつを食べながら、氷の国星の小人たちから、氷の国星の事情を聞くことにしたのでした。







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