「僕たちの氷の国星では、どこの氷河さんと瞬ちゃんも、小人と大人(オトナではなく、大きい人)のカップルなの(しくしく&ぱくぱく)」
「氷の国星全体で、氷河と瞬のカップルは30組くらいいるんだって(ぐしぐし&むぐむぐ)」
「大人の方が、小人たちの世話をするの(めそめそ&はぐはぐ)」
「大きな瞬さんが、小人の氷河ちゃんたちと暮らしてるおうちもあるんだって(ぐすぐす&むしゃむしゃ)」

「それで、小人たちがいい子にしてるとポイントがたまっていって(あむあむ)」
「1000ポイントたまると、小人たちは完全合体ができるようになるの(もぎゅもぎゅ)」
「僕たち、まだ、208ポイントしかたまってないから、合体はできるけど、ぼんやりした姿なの(ぺろぺろ)」

「それに、一晩くらいしか合体を保てないんだよね〜」
「あと、月に1回くらいだよね、合体できるのって」
「だから、僕たちの氷河はとっても厳しいの」

「うん、すごくおいしいね、この……パンケーキ?」
「初めて食べるよね、僕たち」
「こんなおいしいものがあったなんて、宇宙は広いね〜 !! 」
「勇気を出して、宇宙に旅立ってよかったね」
「ほんとはよその星でいい子にして、氷河のためにポイントためようと思ったんだけどね」

「それは言わない約束だよ〜 !! 」× 15


氷の国星の小人たちは、甘い香りを漂わせたほかほかのパンケーキを目にすると、途端に顔をほころばせ、氷河や瞬が、わざわざ事情を聞きだすまでもなく、大いに食べ、大いに語ってくれたのです。


もちろん、氷の国星の小人たちのお喋りがそれだけで済むはずがありません。
ちょっとしたアクシデント付きです。

「ああっ、大変っ!」
「ど……どーしたのっ !? 」
「僕たち、今、手を洗わないでパンケーキ食べちゃった!」
「そういえば……『いただきます』も言い忘れたような……」
「ポイントが207に減ってる〜;;」
「えええええ〜っっ !? 」× 14

小人たちが、悲鳴をあげて、自分の小さな手のちっちゃな指にはめられている超小型のエンゲージリングを、一斉に覗き込みます。
小人たちの指には、それぞれ氷の国星エンゲージリングがはまっていて、そこに現時点獲得ポイントが表示されるようになっているのでした。

「そんなぁ〜っっ;;」× 15

自分たちの分のパンケーキを食べ終えてしまったせいもあって、氷の国星の小人たちは、落胆のあまり、がっくりとテーブルの上にへたりこんでしまいました。







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