愛の往復書簡

〜氷の国からあったかい国へ 6〜









ネズミとハリネズミのケーキ! 

すごいー !! たれたれ瞬ちゃん、すごいですー !!
最初に見た時、びっくりしちゃった!

それから、僕たちはちょっと悲しい思い出を思い出しました。


あのね、実は僕たちもずっと前にハリネズミのケーキを作ったことがあるの……てゆーか、ケーキをハリネズミにしちゃったことがあるの。

僕たちの10歳の誕生日のことなんだけど……。
僕たち、全員が自分の分のロウソクを立てようとして、10本×15人分、合計150本のロウソクをバースディ・ケーキに突きさしたの。
そしたら、ケーキがハリネズミみたいになっちゃったんだ。
ロウソクに火をつけるのは危ないって氷河に言われて、僕たちは仕方なくロウソクを引き抜いたんだけど、その時にはケーキは、もうぐちゃぐちゃのめちゃめちゃになっていました……。

僕たちは泣きました。
あの時、氷河が僕たちにちゅうをしてくれなかったら、今も泣いていたと思います。

そんな辛い思い出のある僕たちですが、でもでも、たれたれ瞬ちゃんのネズミ&ハリネズミケーキはほんとに素敵!
悲しい思い出も吹き飛んでしまいました!
あんまり可愛くて、食べるのがもったいなかったんだけど、1号がネズミケーキの尻尾にかじりついた途端、みんなで『わーっっ☆』といっちゃいました。
15号はハリネズミケーキの鼻のアタマを舐めたんだよv

すっごくすっごく美味しかったです!


それから、たれたれ瞬ちゃんのお手紙とケーキと一緒に、たれたれ氷河さんからのタペストリー資料も無事に受け取りました。
僕たちの氷河は、たれたれ氷河さんの書いた図案を見て、しばらくうなっていました。
しばらくしてから、テーブルの上に、たれたれ瞬ちゃんの写真とたれたれ氷河さんの図案を並べて置いて、
「おまえたち、どっちの方が好きだ?」
って訊くから、僕たちは全員、たれたれ瞬ちゃんの写真の方に移動しました。
だって、たれたれ氷河さんの図案は、失敗したジグソーパズルみたいだったんだもの。


氷河は、
「そーか。そーだよなー。確かにゲイジュツ的なんだがなぁ」
と呟いていました。
結局、タペストリーはたれたれ瞬ちゃんの写真を元に作ることにしたみたいです。

「でも、たれたれ氷河には世話になってるからなぁ」
って言ってたから、あの図案で小さなハンカチくらいは作る気でいるみたい。
楽しみにしていてくださいね。


あ、氷河が呼んで――