『わおおぉぉぉぉぉーん……』

『あおあおあおあおおあああああおあおあおぉぉぉーん……』


叫んでも叫んでも、ご近所の人は来てくれず、やがて、氷の国の氷河の怒りと悲しみが、絶望に変わり始めた頃。
氷の国の氷河を助けてくれるものたちが、氷瞬城に現われたのです。

それは、常日頃から小人たちと仲良くしている氷の森の動物たちでした。
9号と懇ろな渡り鳥さんの知らせを受けて、森のクマさんやキツネさんやリスさんたちが、氷瞬城に駆けつけてきてくれたのでした。

森の動物たちは、いつも小人たちに、
「僕たちの氷河は世界一優しくてカッコいいんだよ〜」
という話を聞かされていました。

カッコいいかどうかはともかく、氷の国の氷河が小人たちには激甘なことは、氷の森の動物たちも知っていました。
可愛い小人たちが大好きな氷の国の氷河が悪い人なはずがないこともわかっていましたから、森の動物たちは、すぐに100畳大タペストリーの中から氷の国の氷河を救い出してくれたのです。






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