トラックに乗せてもらった都合上、氷の国の氷河は、これまでの事情をミロに説明することになりました。

「ああ、知っているぞ。ペルセウス特急便のアルゴルだな。ふふん。すると、その合体瞬ちゃんとやらは、奴の目にとまるくらいの可愛子ちゃんだということになる」

大体の事情を把握したミロの目と爪がきらーん☆ と輝いたことに、氷の国の氷河は気付きもしませんでした。

「そ……そーなんです! 俺の瞬は、それはもう可愛くて可愛くて、世界でいちばん可愛くて、多分、宇宙でもいちばん可愛いんじゃないかな〜」
他の男の前で合体瞬を誉めることの危険にも気付かず、氷の国の氷河は正直に、普段思っていることをぺらぺらぺら。
『マンモス哀れな奴』というフレーズは、まさに氷の国の氷河のためにあるフレーズでした。


「よし、じゃあ、その可愛子ちゃんを救い出すために、石の国に直行だーっ!」

言うなり、スコーピオン特急便のおにーさんは、トラックのスピードを光速モードに急変換。
さすがは、石の国の黄金の勇者の駆るトラックです。
その速いこと速いこと、スコーピオン特急便のトラックは、あっという間に石の国に到着してしまいました。

勇者の旅につきものの、人助けも怪物退治もあったものではありません。
が、既に半日を無駄に過ごしてしまっていた氷の国の氷河にとって、それは幸運な展開ではありました。






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