そうして。
やがて、静寂の法廷に、atenasaori_ojyoの自戒を込めた無念の声が細く響きました。

「裁判長。私は……私の要求を取り下げます……」


その途端!
atenasaori_ojyoの口から、その一言が発せられた途端!
法廷は割れんばかりの歓声に包まれました。


「おおおおおっ、奇跡だ! 氷の国の氷河が勝訴!」
「小人さんたちは、誰のものにもならない!」
「やったー !! 」
「世界の平和は保たれたぞー !! 」

その場にいた誰もがこの裁判の結末に歓喜していました。
本当は、世界中の誰もが、氷の国の氷河以外の誰にも小人たちを渡したくはなかったんですね。


たれたれ氷河さんも、この結果にはとても満足そうでした。
「あの弁護人、さすがだな。さすがはサンクチュアリ弁護士会ナンバー1だけある」
「で……でも……氷の国の氷河さんが、お便所コーロギにされちゃったよ?」
「裁判は勝てばいいんだ」
「そ……そういうものなの?」
「まあ、この場合はな」

たれたれ氷河さんは、今日もクール&セクシー。
たれたれ瞬ちゃんだけが、気の毒そうな眼差しを、今日の勝者である氷の国の氷河に向けていました。