小人さんサイン会選抜、残りは101万328人。 泣いても笑っても、これが最後の3問目、いわゆる究極の選択です。 時は、まさに3:00PM just now。 折りしも、メイン会場では、『たれたれ瞬ちゃん、差し入れありがとう』のダンスを踊り終えた小人たちがケーキに飛びかろうとしているところでした。 「ちょっと待ったぁ!」 スタートダッシュを決めようとした1号は、たれたれ氷河さんのその大きな声に驚いてつまづいてしまいました。 1号の後ろに続いていた2〜15号たちも巻き添えになって、仲良くころろろ〜★ とダンゴのように固まって転がります。 「うわ〜ん」 「ひどいよ〜、たれたれ氷河さんー!」 「ああ、悪かったな。だが、そのケーキは究極の選択に使うから、食べるのはあとでゆっくり、な」 たれたれ氷河さんは、ダンゴになってしまった小人たちを助け起こしながら、クール&セクシーに、自分の思いついた企画を説明してくれました。 「ケーキで究極の選択……。あっ、そーか! つまり、この5種類のケーキの中から、僕たちがどれを選ぶのか、回答者はそれを当てるんだね」 「その通りだ。回答者をこのメイン会場に呼んだら、入り口のところで1〜5のどれかを選択させて、それぞれのゾーンへ割り振るんだ。そろそろ準備が終わったか?」 急遽決まった『究極の選択』企画でしたが、優秀なスタッフの尽力のおかげで、着々と用意は進んでいました。 たれたれ氷河さんの指示は適切&完璧です。 場内アナウンスが、 「小人さんたちは、大好きなお菓子を目の前にして、待ったをかけられています。小人さんたちのために速やかな移動をお願いしまーす!」 と繰り返し流されたのも効果的でした。 なにしろ、ここにいるのは小人たちが好きで好きでたまらない人たちなのですから、小人たちのためなら光速で移動も出来ようというものです。 そうして準備万端整って、ついに、最終問題の結果判明の時がやってきました。 しずしずと、メイン会場スタンド席と小人さんたちがいる控えブースの間にあった巨大な仕切りが取り除かれると、途端に、自分たちの究極の選択を済ませた小人さんフリークたちの間から、 うおおおぉおおおおぉ〜 !!!! と、地響きにも似た歓声が上がりました。 「L・O・V・E らぶり〜小人さん 1・2・3・4・5・6・7 らぶ C・U・T・E きゅ〜とな小人さん 8・9・10・11・12・13・14・15〜 ファイヤー !!!! 」 大きなメイン会場のスクリーンには、控えブースにいる小人たちの姿がズームアップ。 101万328人は、これでもかと言わんばかりに盛り上がっていました。 「わぁっ、すごい人だね!」 「みんな、ありがと〜!」 どおおぉぉ〜ん !!!! 「4号ちゃんが手を振ってるわ〜!」 「5号ちゃん……俺のいのち」 「見てっ! 6号ちゃんと7号ちゃんがお手てつないでるっ! なんて可愛いの〜vv」 「8号ちゃんが3号ちゃんとお話してる〜 !! 」 「いいか、お前たち。俺の合図で好きなケーキのお皿に行くんだぞ。慌てなくていいからな」 「ルールは単純、1番人数の多いケーキに行った者だけがケーキを食べられる。その他は没収だ。お前たちは15人で1人、1人で15人。事前の相談は一切してはいけない。心を一つにすれば、選ぶケーキも同じになるはずだ」 「小人さんたち、頑張ってね!」 控えブースで、氷の国の氷河とたれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんに、説明と激励を受けた小人たちは、真剣な顔で深く頷きました。 「みんなっ、気持ちをひとつにしよう!」 9号の呼びかけで、小人たちが円陣を組みます。 「僕たちは15人そろって1人」 「誰1人欠けることなく、ケーキを食べようね」 「1人だけ違うとこに行ったら」 「ケーキを食べられないもんね」 「そんなの、絶対絶対イヤだよ」 「食べる時はみんな一緒だよ」 「さあ、手を重ねて! やるぞ、ケーキと僕たちの幸せのために!」 「おお〜 !! 」× 15 小人たちの心の準備もできました。 最後のショータイム、運命の時が、有明ビッグサイト特設会場の上に訪れたのです! |