氷の国は、新米料理人のおにーさんの国より6時間早く新年を迎えます。

「明けましておめでとー!」× 15
「おめでとう。今年もおまえたちが元気でいられますように」
「お……おめでとうございます」

メルヘンの国のメルヘンなお正月に、最初は戸惑い気味だったおにーさんも、どんぐりの帽子みたいなお椀に入ったお汁粉をはふはふ食べたり、小さなサイコロみたいなお重に詰められた栗きんとんにむしゃぶりついていく小人たちの嬉しそうな様子を眺めているうちに、ほんわか幸せ気分になってきました。

そして、氷の国の小人たちの新年のダンス。
小人たちのダンスはとても可愛らしくて、お店をクビになってしまったおにーさんに、明日からの憂いを忘れさせてくれました。

そんなふうにして、親切な新米料理人のおにーさんは、氷の国の氷瞬城で楽しいひと時を過ごしました。
ご馳走を食べ終わると、おにーさんは、お土産に小人たちのお椀とお重箱をもらって(もちろん、ちゃんと洗ったものですよ)、元の厨房に帰ってきたのでした。