ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q13 一番好きな美徳は?



「手を上げて横断歩道を渡りましょう」
「右見て、前見て、左見て」
「上と下も見なくちゃ、危ないよ」
「後ろは見なくていいの?」
「右見て、前見て、左見て、上見て、下見て、後ろ見た後に、左斜め前方から危険が迫ってきてたらどうするの?」
「前見て、左見るあいだに、左斜め前方も見ればいいんだよ」
「右斜め前方も入れなくちゃ」
「あと、右斜め後方と左斜め後方もだよ」
「そんなにいっぱい見てたら、いつまでたっても横断歩道を渡れないよ」

「心配ご無用! 氷の国には横断歩道はないからね」
「あっ、そうか〜」
「横断歩道がなくて、ほんと良かったね」
「うん、良かったからばんざいしよう」
「そうしよう」

「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」× 15

 
(ありゃりゃ……。すっかり、ばんざいが小人さんたちのマイブームになってしもたな)


「は〜。今回も、いいばんざいだったね」

「うぐいすがけきょけきょ鳴いてる平安京で碁を打つ輝夜とエイリアン……」

「……ねぇ、氷河は勉強をしてるんだよね? 別になにかがとり憑いたわけじゃないよね?」
「どうしたの? 急に」
「さっきから不思議な呪文みたいなのを、うつろな目をして、ぶつぶつ言ってるから、ちょっと気になっちゃって……」
「心配ないよ、あれは暗記するのによくある語呂合わせなんだから」
「氷河の勉強熱心さには感心するね」
「うん、あれこそ美徳だよね」
「じゃあ、氷河の美徳にばんざいしよう!」
「わーい! ばんざいだー!」

「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」× 15

「ばんざい食えねどおばんざい食って勝つぞの源平合戦」

「氷河が語呂を合わせながら、ごろごろ転がってるよ」
「ごろごろと、転がる氷河の語呂合わせ」

「うん、きれいに決まったところで次の質問へれっつごー!」