ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q21 一番好きな花は?



「もちろんチューリップ!」
「だって、僕たちの生まれた場所がチュリーップ園の中のお花畑だもんね」

「チューリップは別格として、僕は黄金花月が好きだな」
「おうごんかげつ?」
「9号が大事に育てているあの木の事?」
「あれって『お金のなる木』じゃなかった?」
「うん……、9号が木にお水上げるときに、『早く咲け咲け金の花♪ 早くなれなれお金の実♪』っていつも言ってるよね」
「だけど、葉っぱばっかりで、お花は全然咲かないね」

「黄金花月の別名が『お金のなる木』って言うんだよ。花は滅多に咲かないんだけど、もしその花の咲くところを見ることが出来たなら、それはそうとう運がいいってことだから、僕は全財産を株式投資してもいいって思ってるんだ」
「9号にそこまで言わせるなんて、たいした木だね」
「うん。たいした木だよ」

「僕はイチゴの花が好き。白くて可愛いお花の次に赤くておいしいイチゴの実ができるから」
「それなら桜もお花見が出来て、そのあとにおいしいサクランボが食べられるよ」
「桃だってお花見もできるし、おいしいモモが食べられるもん」
「林檎の花も可憐だよ。それにおいしいリンゴも食べられるもんね」
「梨の花だってがんばってるよ、おいしい梨が食べられるんだから」
「バナナの花! ……はちょっと見かけが悪いけど、おいしいバナナが食べられるからいいや」

「考えてみるとお花って、ただきれいに咲くだけじゃなくて色んな役割があるんだね」
「見て楽しめて、食べても楽しめるもんね」
「お花ってえらいね」
「すごいよね」
「どれも好きだから、1番なんて選べないね」

「……僕、苦手なお花ならある」
「えっ、そうなの?」
「どんな花?」
「こないだ書庫に本を取りに行った時に見つけたの」
↑ Q5のフランス書院『デザートはワ・タ・シ』を取りにいった時

「世にも恐ろしいお花の本があったんだ……」
「(ごくっ) ど……どんな?」

「名前を言うのも怖いんだけど……。人食い花っていうの」
「ひ……人食い花っていうと」
「やっぱり、人を食べるんだよね」
「うわー、怖いね」
「そんな花がほんとにあるなんて……」
「ほんとだよ! 僕、見たんだ『アタシは夜咲く人食い花』っていうタイトルがちゃんとあったもん」

「人食い花って夜行性なんだね」
「じゃあ、夜の間、外に出なければ大丈夫なんだ」
「僕たち、いつも早寝早起きのいい子だから、全然安心だね」

「よーし。じゃあ、夜も更けてきたから僕たちはもう寝よう」
「うん、そうしよう」
「氷河ー、おやすみ」
「今夜もお勉強がんばってねー」
「あ、王様のお仕事もちゃんとしてね」
「髪もちゃんと手入れしておいてね、きれいな方が高く売れるから」


(小人さんたちの好きなのは、見た目も重要やけど実用的な花かぁ。可愛らしいけどしっかりちゃっかりしてはるなぁ)


「俺は……眠りそう……だ……」


(ほいほい氷の国の氷河はんの好きな花は『眠り草』ってことで、21問目も無事終了っと)