ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q22 一番好きな鳥は?



「もちろん、白鳥さんだよ!」
「真っ白で綺麗だし、大きいし、ダンスもうまいし!」
「僕たちを乗せて、いろんなとこ連れてってくれたりするよね」
「ちょっと恐いけど、楽しいよね〜」
「9号とねんごろの小鳥さんには、全員は乗れないもんね」


「で、白鳥さんを別にすると、ペンギンさんかな〜」
「オカメインコさん!」
「ハチドリさんも、小さくて可愛いよね」
「僕たちとおんなじくらいの大きさだもんね」

「あ、ところで、9号は?」
「ツバメ……」

「あ、ツバメさんも偉い鳥さんだよね。遠い国から飛んでくるんだよね」
「僕、ツバメさんの歌、好き〜!」
「あ、僕も僕も!」

 南のくにを離れて
  ツバメはそよ風と共に
  今年も我がまちをめざして飛んできた
  苦しみ、悩みを耐え抜いた姿 
  おお ツバメ ラ・ゴロンドリーナ
  涙を風に投げ捨て 楽しく飛びまわる〜♪
 』× 14


「健気だよね〜」
「うんうん。僕たちの氷河とおんなじくらい健気だよね!」
「こんないい歌なのに、こういうとこでしか歌詞を見つけられなかったね」
「JASRAC、気持ちはわかるけど、名曲が知られるチャンスをなくしちゃってるよね」
「ほんとだよね〜」

「そのツバメさんじゃないんだ!」
「えっ、南の国から来るツバメさんとは違うツバメさんがいるのっ!?」
「ううん。多分、南の国から来るツバメさんの中に、特別なツバメさんがいるんだと思う」
「特別なツバメさん?」


「うん。これも、前に、書庫に行った時、『デザートはワ・タ・シ』の近くで見つけたんだけど……。『若いツバメと甘い生活』って本があったんだ」
「……ツバメさんが、さくらんぼを運んできてくれるお話かな……?」
「ぶどうかもしれないね」
「頑張れば、バナナだって運べるかも」

「その隣りには、『若いツバメと羊羹マダム』って本もあった(←『有閑』のルビを『ようかん』に脳内変換した)」
「栗羊羹、おいしいよね!」
「僕、いも羊羹も好きだなー!」
「水羊羹は、冬場でもおいしいのに、あんまり売ってないよね」

「きっと、若いツバメさんは、甘いおやつを運んできてくれる鳥さんなんだ」
「それは……ねんごろになりたいねぇ」
「ならなきゃいけないよね!」

「来年の春、ツバメさんたちが氷の国に来たら、若いツバメさんと仲良しにならなくっちゃ!」
「賛成ー!」
「異議なーし!!」× 15


「あふ……。意見がまとまったら、眠くなってきちゃった」
「僕も〜」
「うん、おしゃべりはこのくらいにして、今夜はもう眠っちゃおう」
「ふぁ〜……。氷河、お勉強頑張ってるかなぁ……」
「むにゃむにゃ……王様のお仕事も頑張ってー……」
「髪の手入れしてなかったら、明日、叱ってやらなくちゃ……んにゃ」

「みんなー、おやひゅみ〜」
「うん、おやすみ〜」× 15


(小人さんたちは、今日も有意義な一日やったんやろーな。おやすみ、小人さんたち)(で、問題は、氷の国の氷河はんの方やが……。もう、沈没寸前やなぁ……)


「3.1415926535897932384626433832………(うとうと)。日清の〜お菓子屋さん〜……(うつらうつら)。髪……キューティクルちゃんりんしゃん……(こっくり、こっくり)」


(あかん。まるで水飲み鳥や……。小人さんたちに使われっぱなしで、なのに抜け出せない魔の永久運動……。それでも、氷の国の氷河はんは幸せなんやろ〜な〜……)(←むしろ、感動してきた)