「お……お砂糖……」
「蜂蜜〜……」
「イチゴジャム……」
「メープル・シロップ……」
「氷河、助けてー……!」

長い長い時間が経ってから、やっと意識を取り戻した小人たちは、いろんな甘いものに救いを求めて、地面の上で呻き声を洩らしました。

小人たちがトウガラシの木から落っこちて気がつくまでの間に、お陽様は40度近く傾いていたのですが、それだけの時間が過ぎてもまだ、小人たちの口の中は燃えるように熱くて辛くてヒリヒリしていたのです。

なにしろ、小人たちは、普段、甘いものしか食べていませんからね。
甘いケーキや果物はもちろん、氷の国の氷河は、お野菜だって、甘く煮込んでから小人たちに食べさせてくれていました。
ですから、こんな辛いものを食べたのは、氷の国の小人たちは生まれて初めてだったのです。

幸い、小人たちの呻き声を聞きつけた氷の森の仲間たちが、すぐに甘いイチゴや桃の実を持って小人たちの許に駆けつけてくれたので、小人たちは間一髪で一命を取りとめることができたのでした。