ぷぅぷぅ。 ぷぅぷぅ。 ぷぅぷぅぷぅ。 今日も今日とて、小人たちは、辛い辛いトウガラシを甘いぴーまんに変える仕事に励んでいます。 ぷぅぷぅ。 ぷぅぷぅ。 ぷぅぷぅぷぅ。 お仕事に疲れたら、ちょっと休憩して、もいちど、ぷぅ。 小人たちは、来る日も来る日も、それはそれは一生懸命働きました。 「ふぅ。このあたりのトウガラシも、みんなぴーまんになったね」 「明日、このぴーまんを見つけた人は、きっと大喜びだね」 「うんうん。大喜びだね」 「ぴーまん作りって、疲れるけど、やり甲斐のある仕事だよね」 「くたくたになるけど、風船ふくらますみたいで楽しいよね」 立派なぴーまん畑になった元トウガラシ畑を眺めて、小人たちは大満足。 そんなふうにしてお仕事を終えると、小人たちは、心地良い疲れと共に氷の国に帰るのでした。 ところで、小人たちは、ぴーまん作りのお仕事のことを、氷の国の氷河には内緒にしていました。 氷の国の氷河は心配性でしたから、彼の小人たちがそんな大変な仕事をしていることを知ったら、いらぬ気苦労をしておろおろするに決まっていましたからね。 それに、善行というものは、人に宣伝して実行するものではありませんからね。 小人たちは、ですから、氷の国の氷河がお掃除やお洗濯や夜なべ仕事をしている時を見計らって、こっそり氷の国を抜け出し、ぴーまん作りに励んでいたのです。 季節が移るに従って、氷の国の小人たちの仕事場は、北半球から南半球へと移動していきました。 そうして、1年が経って、小人たちの仕事場が、スタート地点だった氷の国に戻ってくる頃。 小人たちが発明した“ぴーまん”は、世界中のどこの国にもある、とてもポピュラーなお野菜になっていたのです。 |