ある日のことでした。

大きな仕事をやり終えて満足した氷の国の小人たちは、『おとーさんといっしょにピンポッキーズ』を見るために、テレビの前に集合していました。
ピンポッキーズが始まるまでには、まだちょっと時間があって、テレビの画面には、ピンポッキーズではない番組が映っています。

それは、『食わず嫌い当てっこ大作戦』という番組でした。
一人の子供が、テーブルの上に用意された何種類かの料理を食べて、その中にひとつだけ混じっている苦手な食べ物を、他の子供たちが当てるというゲームです。

テーブルの上には、炊き込みご飯だの、焼きそばだの、納豆だの、にんじんジュースだのが並び、その中には、ぴーまんをたくさん使ったグリーン野菜のマリネもありました。

「わあ、ぴーまんがあるよ! あれも僕たちの作ったぴーまんかなぁ」
「もしかしたら、僕たちの作ったぴーまんの子供のぴーまんかもしれないよ」
「ぴーまん、世界中に広まってるね」
「僕たちがおいしくしたぴーまんだもの、当然さ」
「みんな喜んでくれてるんだね」
「よかったね」
「頑張った甲斐があったよね〜!」

たった1年で、世界中に広まったぴーまん。
小人たちの作った、つやつやてかてかぴかぴかのぴーまんは、世界中の人に愛されているのです。

小人たちは、なんだかとっても誇らしい気持ちになって、テレビの前で胸を張りました。
嬉しくて幸せで、その頬もほんのりぴんく色に染まりました。



なのに。
なのに、何ということでしょう。

今日の『食わず嫌い当てっこ大作戦』の正解は、
「はい、正解は、5番のぴーまんのマリネ。ヒロシくんの嫌いな食べ物はぴーまんでしたー」
──だったのです。