さて、ケーキは夜までしまっておいて、次に小人たちがとりかかるのは、プレゼントの準備。

――もとい、プレゼントをもらう準備です。
クリスマスのプレゼントは、ソックスに入れてもらうのが決まりですから、小人たちは、プレゼント用のソックスを、それはそれは気合いを入れて選びます。








大きなプレゼントを入れてもらいたいですから、選んだソックスを引っ張って伸ばしてみたり、ずるっこして、二つ使おうとしたり。

氷の国の氷河のソックスを持ち出してくる小人もいます。

「11号……。これはいくらサンタさんがむにゃむにゃでもバレると思うけど……」
「そうかなぁ? サンタさんは夜来るんだから、これが僕のソックスじゃないってこと、暗くてわからないんじゃないかしら」
11号もなかなかの策士です。

ところが、氷の国の氷河のソックスの爪先のあたりを見ていた3号が、突然すっとんきょうな声。
「ねえ、このソックス、指のところに穴があいてるよ」

「えーっ !? 」
穴あきソックスでは、プレゼントがどこかに転がり落ちてしまうかもしれません。

11号は、『氷河のソックスで大きなプレゼントをもらおう』計画を、泣く泣く断念することになったのでした。






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