床に伏して倒れている氷の国の氷河の耳に、小人たちのひそひそ話が聞こえてきます。


「氷河はああ言ってたけどね、氷河が神様に勝てるかどうかはわからないと思うんだ」
小人たちは、氷の国の氷河が異様に打たれ強くはあっても、自分から攻撃していくのが不得手なことをよく知っていました。

「僕たちの氷河を守れるのは僕たちだけなんだ」
「うん」

「もちろん、僕たちは氷河を信じてる。でも、だからこそ、僕は、信じるもののために闘うことが、愛でもあると思うんだ」
「うんうん」

「だから、やっぱり、いざという時のために、氷河を救えるように練習しておく必要はあると思うんだよ」
「でも、僕たちが繋がって、地獄に落ちた氷河を救い出すのは難しいよ」

「うん。だからね、今のうちに、『神様、僕たちの氷河を助けて』のダンスを作っておくのはどうかなって思うんだけど」
「おおお〜っっ !! 」× 14

相変わらず冴えている9号の言葉に、小人たちが感心してどよめきます。

「ダンスなら、恐くないね!」
「ダンスは僕たちの得意技だし」
「怪我もしないし」
「痛くもない」

「そうだよ。僕たちは、神様の心を変えるくらい、上手に可愛く踊らなければならないんだ。それが、僕たちの、氷河を守るための闘いなんだよ」

「任せて! 僕、頑張るよ!」
「僕だって!」
「僕、必殺のスマイル、ただでサービスしちゃう!」
「神様なんかに負けるもんか!」
「氷河のためだもん。負けられないよ!」
「うん。氷河のために頑張るぞーっ!」

「おおーっっ !!!! 」× 15



そういうわけで、小人たちは早速ダンスの練習開始。
可愛い声で歌いながら、一生懸命、『神様、僕たちの氷河を助けて』のダンスを踊り始めたのです。