財布の中身も尽きかけてイライラしていたミロ医学者と、ぷっつんして熱くなっていたカミュ物理学者が、阿蘭陀行きの船の甲板で、激しい光速拳バトルを繰り広げていた頃、小人たちの愛する銭形氷河は、なぜか沖縄近海で、泳がずに、数日ぶりの腹ごしらえをしていました。

七つの海の有名人銭形氷河を見物にやってきたイカの大群が、スクラムを組んでイカダになり、銭形氷河を運んでくれていたのです。

「おおおおおーっっ、まさか、こんなところでイカソーメンが食えるとは〜 !! 」

久方振りに巡り合ったワカメ以外の食べ物に感動して、銭形氷河は喜びの声をあげましたが、実は彼は、“こんなところ”がどこなのかは、まるでわかっていませんでした。







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