阿蘭陀行きの船の甲板に、小人たちの泣き声が響いています。

小人たちが悲しみの涙を零し始めてまもなく。
小人たちの泣き声の隙を縫うようにして、ずり、ずり、ずり、と、船尾の方から不気味な音が聞こえてきました。

「お……おい、あれは何だ?」
「う……海坊主 !? 」
「うわぁっ、おばけイカだーっ!」
「逃げろ〜っっ !! 」

阿蘭陀行きの船の乗客たちは、突如甲板に現れた異様な姿の化け物に恐れをなして、蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまいました。
その場に残されたのは、15人の小人たちとカミュ物理学者とミロ医学者のみ。

突然どこかから湧いて出た化け物は、ずり、ずり、ずりと、小人たちのいる方に近付いてきます。
その異様な姿をした化け物の正体は――

「氷河ーっっ !!!! 」× 15

もちろん、そうです。
小人たちの危機には、何を置いても必ず姿を現すあの男。
ついに、真打ち・銭形氷河の登場です!







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