海底神殿で延々続く、ダンスとご馳走の日々。

そんな日々を過ごすうちに、ある日、小人たちは、突然、なつかしいお団子の味を思い出してしまったのです。
一度お団子の味を思い出してしまったら、小人たちはもう、花のお江戸に帰りたくて帰りたくて仕方がありません。

「まあまあ、そんなこと言わずに……。どうだい、小人さんたち。永遠にこの海底神殿で食べて踊って暮らさないかい?」

軟派な顔をして、そう誘ってくるジュリーに、小人たちは口を揃えて訴えました。
「じゃあ、お団子食べさせてー!」
「お団子ー!」
「お団子ー!」
「お団子ー!」
「お団子が食べたいよーっっ !! 」× 15

「…………」
そう言われても、ないものはないのです。
海底神殿には、シーフード以外のご馳走はありませんでした。

めちゃくちゃ唐突な展開ですが、そういうわけで、小人たちは海底神殿での食えや踊れやの生活を中断し、海の世界から陸の世界へと帰ることになったのです。
ポセイドン・ジュリーは、もちろん、小人たち一行に、お約束のお土産をくれました。

「これが噂の玉手箱か……」
「開けなきゃいいんだろ、開けなきゃ」
とか言っているカミュ物理学者とミロ医学者と、小人たちと銭形氷河と(以下略)を甲羅に乗せて、カメさんは海底神殿から急浮上。

小人たち一行は、久し振りに青く広い大空を見ることになったのです。







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