「これで私の任務は完了。さ〜、カメカメ、帰りましょ」 貧乏なままでも幸せいっぱい夢いっぱいな小人たちと銭形氷河の姿を眺めていたぴちぴちマーメイドのテティスが、やがて、元気な声をお江戸の町に響かせます。 自分に任せられたお仕事をやり遂げるのは、気持ちのいいものですよね。 まして、そのお仕事が、誰かを幸せにできたのなら、なお一層。 ぴちぴちマーメイドのテティスは、今回の自分のお仕事の成果に、とっても満足しているようでした。 「どうもありがとう、美人の人魚のお姉さん!」× 15 小人たちが、今度はお世辞抜きで心底から、ぴちぴちマーメイドのテティスにお礼を言います。 親切で優しい人は、誰の目にだって綺麗に映るものなんです。 「お礼は無用よ。見る目のある可愛い子たちのお願いを叶えるのは、私だって楽しいもの」 「カメさんもありがとう〜! 気をつけて帰ってね。海で迷わないでね」 「カメカメ〜(訳:ありがとう、テティスと一緒だから大丈夫かめ〜)」 「さ、行くわよ」 そうして、ぴちぴちマーメイドのテティスと方向音痴のカメさんは、最後にもう一度だけ小人たちに明るい笑顔を向けてから、白煙と共に、海の底の神殿へと帰っていったのでした。 |