「今夜はこの部屋に泊まって。……あの……」
「ん?」

その夜、星矢が案内されたのは、氷河が閉じこもっているらしい部屋との間に1室を挟んだ客用寝室だった。

「僕、隣りの部屋にいるけど……あの……夜、何があっても、部屋から出たり声をあげたりしないでね」
「瞬……?」

星矢には理解できないことばかりだというのに、瞬は一言の説明もくれない。
だが、星矢は、無理矢理問い詰めれば、瞬を傷つけてしまうような気がして、どうしても瞬に強く出ることができなかった。






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