瞬は、夜は氷河のものだった。
しかし、昼は離れていく。
瞬の心は帰っていくのだ。
兄のいるところへ。
アテナの、仲間のいる、光のある場所へ。
身体だけを冥界の闇の中に残して、その心は。
純白の鳥のように、その心は。
沙織たちも、目に見えぬ白い鳥の存在には気付いるようだった。
しかし、瞬は死んだのだと――その心だけが還ってくるのだと、彼女たちは思っている――。
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