原因は、ペットントンの持ってきた花――だった。 花粉に遅効性の毒物が含まれていたらしい。 ペットントンの持ってきた花の花粉が瞬の肺に入り込み、それが全身に広がっていったために、瞬は未知の病を得てしまったのである。 検査の結果、ペットントン自身の体細胞にもその物質は存在していたが、それはペットントンの身体には何の弊害も引き起こしてはいなかった。 ペットントンが自分たちとは違う生き物なのだということを、氷河は今更ながらに思い出すことになったのである。 地球上では未知の微生物。 グラード財団の医療センターの医師たちが総力をあげてかかっても対処方法を発見することはできず、瞬の体力は急激に衰えていく。 未知の微生物が、既に取り除くことも不可能なほど、瞬の血液中に入り込んでしまっているということだった。 |