「僕……氷河とお風呂に入るのも、一緒に眠るのも、以前に比べると楽しいばっかりじゃないの……」

愛する瞬ちゃんの衝撃の告白を聞いて、ロシアのお友達は、当然衝撃を受けました。
楽しくないというのなら、瞬ちゃんを楽しませてあげなければなりません。
でも、ロシアのお友達は、他人を楽しませるということがとても不得手でした。少なくとも当人は、そう思っていました。


けれど、これは、『不得手だから』で済ませられるようなことではありません。
なので、ロシアのお友達は、瞬ちゃんを楽しませる方法を必死になって考えたのです。


ためしに、
「ちゅうりっぷ小学校に囲いができたってねー。へー、そりゃカッコいー」
と、使い古されたダジャレを言ってみましたが、瞬ちゃんは切なそうに目を伏せているばかり。
ロシアのお友達は大弱りです。


ところで、いつもロシアのお友達と瞬ちゃんの愛の行方を心配しているマーマは、その日もロシアのお友達のお部屋のドアに耳をくっつけて、二人のやりとりを聞いていました。

二人の愛の危機!
マーマは、黙ってはいられませんでした。
翌日、マーマはロシアのお友達にさりげなく言ったのです。

「氷河、なんでも、今、日本中で話題が沸騰している、とても楽しいホームページがあるんですって。それを見たら、どんなに落ち込んでいる人も大爆笑なんですって。一度見てみたらどうかしら?」
「…………」


ロシアのお友達は、マーマの助言に従いました。
ロシアのお友達は、何でもいいから、瞬ちゃんを楽しませる方法を知りたかった。
ロシアのお友達は、藁をも掴む思いだったのです。






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