マーマの苦しい胸の内を気遣うように、ロシアのお友達はさめざめと泣いているマーマの肩にそっと手を置きました。 身長だけなら、ロシアのお友達はもうすぐマーマに追いつきます。 けれど、ロシアのお友達はまだ小学校の5年生(本当なら6年生ですが)。 オトナへの階段を登り始めたとはいえ、まだまだオトナの半額で電車に乗れる年齢なのです。 こんなに早く、あまりにも幼いうちに、命を懸けても惜しくないほどの相手に巡り合ってしまったことは、ロシアのお友達にとって幸運だったのでしょうか。それとも、不幸なことだったのでしょうか。 いずれにしても、ロシアのお友達は、同級生よりもずっと早く、オトナの強さを、その身に備えなければならなかったのでした。 というわけで。 翌朝からロシアのお友達は、毎朝瞬ちゃんより20分早起きをして、マーマからもらった電気髭剃りでヒゲを剃るようになったのでした。 |