ロシアのお友達と瞬ちゃんの秋の遠足

〜戦い前夜〜





澄んだ色の秋の空は、うんと高いところにあります。
空気も清々しく爽やかで、本当に気持ちの良い季節になりました。


秋の学校行事といえば、何と言っても、運動会に遠足ですね。
ロシアのお友達と瞬ちゃんが通うちゅうりっぷ小学校でも、楽しい秋の遠足が明後日に予定されていました。


ちゅうりっぷ小学校の職員室では、先生方が遠足についての職員会議を開催中。
一通りの通達が済んだところで、早速議題にとりあげられたのは、やっぱり、ロシアのお友達のことでした。


嬉し恥ずかし秋の遠足。
瞬ちゃんと一緒にいるためになら、どんな犠牲も厭わず、どんな努力も惜しまないロシアのお友達が、クラスも学年も違う瞬ちゃんと同じ場所に遠足に行くために何らかの行動を起こすだろうことは、誰だって知っていました。
そんなことは、先生方はもちろん、ちゅうりっぷ小学校の全校生徒が知っていたのです。


「私は、担任教師の名誉にかけて、氷河の行動を管理し、氷河の学年学級逸脱行為を阻止してみせる……!」
ロシアのお友達のクラス担任で、厳しくてクールなので有名なカミュ先生は静かに燃えています。


「ま、頑張ってくれたまえ。では解散」
厳しくてクールなカミュ先生を信頼しているのか、そうじゃないのかはわかりませんが、校長先生がカミュ先生に送った激励の言葉は、実にあっさりしたものでした。






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