瞬ちゃんのお兄さんが出張中なので、瞬ちゃんはその晩はロシアのお友達のお家に泊まって、明朝一緒に遠足に出掛けることになっていました。 ですから、2人はわくわくどきどきしながら、一緒の床についたのです。 おやつ選びで疲れた瞬ちゃんは、間もなくすやすやと眠ってしまいましたが、ロシアのお友達の方は、遠足を明日に控えた興奮以外にも眠れない事情が色々あって、目がぎんぎんに冴え、なかなか寝つけずにいました。 リビングでは、マーマが、ロシアのお友達と瞬ちゃんの作ったてるてる坊主が窓際で寄り添って揺れているのを眺めながら、明日の戦略を練っています。 「校内偵察隊によると、カミュ先生が何か企んでいるようね……。でも、氷河と瞬ちゃんの愛は、どんなことがあっても、このマーマが守り抜いてみせるわ! 勝利は今度も我が手の中に! おーっほっほっほっほっほっ !!!! 」 マーマの高笑いに、庭の鈴虫たちもチンチロチンチロチンチロリンと応援エールを送ります。 そんなふうに、秋の遠足・戦い前夜は、ゆっくり静かに(?)更けていったのでした……。 |