ロシアのお友達と瞬ちゃんを乗せた“スーパーアスガルド号”は、ヒルダさんの凄まじいドライビングテクニックで、かっ飛ばしとばしに飛ばしまくりました。 速い、速いぞ! スーパーアスガルド号 !! 向かうところ敵無しのスーパーアスガルド号が来ると、周りの車はさささささっ☆ と道を空けてゆきます。 その光景はさながら、イスラエルの民を率いるモーゼの前で二つに分かれていく紅海の奇跡のようでした。 そんなこんなでロシアのお友達と瞬ちゃんは、先発したちゅうりっぷ小学校2年生の面々よりかなり早く『小人さんの森彫刻高原』に到着したのです。 「わ〜い、着いたね♪」 「……うん」 ロシアのお友達は、もともとが、せせこましい島国日本人ではなく、大陸ロシア人。 瞬ちゃんとの運命的な恋に陥るまでは、白く広大な大地でゆったり大らかに暮らしていたのです。 そんなロシアのお友達に、スーパーアスガルド号の猛スピードと、右を左にするようなヒルダさんのドライビングテクニックは、あまりに刺激的すぎました。 ロシアのお友達は、スーパーアスガルド号を降りてからも、ちょっとくらくらしていたのです。 それはともかく、ついにやってきた『小人さんの森彫刻高原』。 ロシアのお友達と瞬ちゃんは、マーマに『小人さんの森彫刻高原』の入場券を買ってもらいました。 『小人さんの森彫刻高原』の入り口で入場券を買うと、スタンプラリー用の台紙が貰えます。 それは、ダンスを踊っている小人さんたちが印刷されている、とても可愛い台紙でした。 『小人さんの森彫刻高原』にやってきた子供たちは、小人さんの彫刻を全部見つけられなくても、この台紙がもらえるので、そんなにがっかりしなくても済むのです。 彫刻を全部見つけた人がこの台紙を引き換えに出すのを惜しんで、台紙のためだけにもう1度入場券を買うことも珍しくはないそうでした。 「さぁ、行こう!」 「うん」 可愛い台紙を手にした2人は、元気よく駆け出しました。 「いってらっしゃ〜い♪ マーマたちはここで待ってるわね〜。お昼のアナウンスが流れたら戻ってらっしゃい」 「は〜い!」×2 マーマたちが近くにいてくれるのなら百人力、何が起こっても、きっと大丈夫。 ロシアのお友達と瞬ちゃんは、大船に乗った気分で、『小人さんの森彫刻高原』スタンプラリーに挑み始めたのです。 |