「アイザックと対峙していた時、僕のことなんかすっかり忘れていたんでしょう、氷河」 クリスマスのプレゼントに満足して眠ってる子供のような氷河の寝顔を、瞬は軽く睨みつけた。 「ほんとにお馬鹿さんだね。僕が焼きもち焼いてるだけだってこともわからないんだから」 軽い戦闘の後などより、はるかに身体のあちこちが痛む。 氷河を甘やかすと、いつもこうなのだ。 彼の欲望は、子供のように際限がない。 いずれにしても。 過去の負い目や闘士としての義務や誇り、あるいは力や武器。 そんなものに頼らなくても、氷河を思い通りに動かすことのできる自分に、瞬は満足していた。 眠っている氷河の金色の髪を、人差し指でさらりと払いのける。 そこに現れた瞼の傷に、今度は嫉妬の感情を抱かずに、瞬はそっと口付けた。 Fin.
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