半日以上、暗闇と吹雪と寒さに翻弄された末に、氷河が瞬の許に医者を連れて戻って来た時、彼が目にしたものは、吹雪の通り過ぎた後の青い空に飛び立とうとしているジェットヘリの機体だった。
窓に瞬の兄の姿があり、それは氷河の姿を認めたようだったが、ジェットヘリはそのまま白い大地を離れていく。
二人の隠れ家の中に、瞬の姿はなかった。
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