そんな二人のやりとりに不安を覚えたのは、彼等の他の友人たちである。

「あの氷河が、他人と食い物を分け合うなんて、どーゆー風の吹き回しだよ」
「……何か……嫌な予感がするんだが……」


――嫌な予感は、当たるためだけに存在する。

自分の命を永らえることを第一義とする野生の獣は、我慢ということを知らないのだ。






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