瞬にしてみれば理不尽な怒りに、俺は支配されてしまっていたらしい。 気がついた時には、俺は瞬を組み敷いていた。 ひどい話だ。 それでなくても寒い晩秋の、潮風が吹きつける屋外で、瞬の身に着けているものを全部引き剥いだ上、どう考えても初めての瞬の中に、俺の猛っているものを幾度も打ち込んだんだから。 瞬が泣いているのか、悦んでいるのかも確かめずに。 もっとも――少なくとも、瞬の身体は悦んでいるようだったが。 中に押し入るたび、瞬の肉は、俺を掴んで離すまいとするかのように絡みついてきた。 だが、それでも、瞬の声は泣き声だった。 喘ぎながら泣いていた。 瞬は、俺が憎しみから、こんな狼藉を働いているんだと思っているんだろうか。 そう考えることは俺にはひどく辛いことだったが、俺は、瞬に何の説明も弁明もしなかった。 どうするのがいちばん利口なやり方なのか、俺にはわからなかったし、俺は瞬の身体に夢中になっていた――夢中にさせられていたから。 |