空が白んでくる。

それが幾度目なのかすらわからないが、俺はまた瞬を貫いていた。
瞬の頬はもう乾いている。
瞬は、俺の下で扇情的に喘いでいた。

瞬の手は俺の背にまわされていて、瞬を揺さぶる俺の動きに振り払われないように、必死に俺にしがみついていた。

もっと奥までと、うわ言のように繰り返し、望み通りにしてやると、瞬は身体を反り返らせて、感極まった声をあげた。

髪に砂が絡んでいる。

ほんの数時間で、4、5年分の経験を積んだように、瞬の身体は、見事に、俺を歓ばせる術を会得してしまっていた。

「こんなところで、こんなことをされて、何を悦んでいるんだ、おまえは。色情狂の気でもあるのか」

瞬のせいで、まだ頭の芯がくらくらしていたが、俺は虚勢を張り、蔑むようにそう言って、自分だけ身仕舞いを整えた。
もっとも、俺は、実に即物的に――要するに、交合に必要な部分しか外気にさらしていなかったが。

瞬は、肩で大きく息をしていた。
裸身でいるにも関わらず、寒さなど感じていないようだった。

俺の虚勢が、瞬の耳に届いたのか届かなかったのか、俺にはわからない。
瞬の表情を確かめるのが恐くて、俺は瞬から視線を逸らしてしまっていた。






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