口ごもった瞬を見て、我が意を得たりとばかりに、星矢が気負い込む。 「だろ。友だちとコイビトと何が違うんだよ。寝るか寝ないかだけだろ。そんなことで瞬を独占できるんなら、俺だって頑張るぜ!」 ――と、星矢がそう言った時だった。 氷河が険しい顔をして、それまで腰をおろしていたソファから立ちあがりかけたのは。 氷河が星矢を殴ろうとしてることを察して、紫龍が慌てて仲裁に入る。 それは、かなり間の抜けた仲裁だったが。 「星矢、おまえ、寝る寝ると簡単に言うが、瞬と寝て、その後で何をするのかわかっているのか」 星矢には、自分が氷河を激怒させるようなことを言ったという意識がまるでない。 ノンキに首をかしげて、星矢は、まるでぼやくように紫龍に答えた。 「そりゃ、詳しいことは知らねーけど……要するに、瞬をいい気持ちにさせてやればいいんだろ? どうすれば気持ちよくなるのか、瞬に教えてもらって、教えられた通りにしてやればいいんじゃん? そんで、そしたら、俺も気持ちよくなれるんだろ?」 至極道理に適った星矢の返答に、氷河はますます眉を吊り上げた。 「あっけらかんと言うな! 毎日一緒にサッカーをするために、瞬と寝るだと !? そんなことで瞬を……」 「他に何があるって言うんだよ?」 星矢が真顔で訊いてくる。 氷河は、またしても言葉に詰まった。 |