青年の手が自分の身体に触れるたび、シュンの心臓はどきどきと高鳴りました。
シュンは生きているのに──醜い獣の姿をして生きているのに──シュンに触れる、鋭い爪のない綺麗な彼の手。

シュンは、自分が醜い獣の姿をしていることが悲しくて切なくて惨めで辛くて、ふいに泣き出してしまいそうになりました。
シュンは、彼に触れられている部分に痛みさえ覚えました。
その痛みの、何という甘美。

シュンのそんな嘆きと歓喜も知らぬげに、彼はシュンに触れ、背を撫で、醜悪なまでに痩せた身体を、その胸に引き寄せさえしてくれるのです。
シュンは、夢の世界に迷い込んだような心地になっていました。






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